使い方
- 「①原価率・粗利率」「②売価を決める」「③掛け率」「④損益分岐点」から計算したいモードを選ぶ
- ②と③はさらに、どちらの数字がわかっていて何を求めたいか(例: 原価から売価を決める/売価から原価の上限を決める)を選ぶ
- 金額や%を入力すると、その場で結果が表示される
- URLに条件を付けて開くと、その条件の結果が最初から表示される(例:
/rieki-ritsu/?mode=genka&cost=300&price=1000)。計算結果の下の「この条件のURLをコピー」でも作れる
利益率(粗利率)はどうやって計算する?
原価率は「原価÷売上×100」、粗利率(売上総利益率)は「(売上−原価)÷売上×100」で計算します。
粗利率(%) = (売上 − 原価) ÷ 売上 × 100 = 100 − 原価率
売上を100%とすると、売上は「原価にあたる部分」と「粗利(売上総利益)にあたる部分」に分かれるため、原価率と粗利率を足すと必ず100%になります。原価率が下がればその分粗利率は上がり、原価率が上がればその分粗利率は下がる、常に表裏の関係です。たとえば原価650円の商品を1,000円で売ると、原価率は65%、粗利率は35%です。
原価が売価を上回る「原価割れ」の場合、原価率は100%を超え、粗利率はマイナスになります。たとえば原価1,200円の商品を1,000円で売ると、原価率は120%、粗利率は-20%です。このツールはマイナスの粗利率もそのまま表示し、0に切り上げたりはしません。原価と売価から実際の割合をすぐ確かめたいときは、上の「①原価率・粗利率」に好きな金額を入れてみてください。
原価率から売価を決めるには?(早見表)
目標の原価率が決まっているときの売価は「原価÷目標原価率」、目標の粗利率が決まっているときは「原価÷(1−目標粗利率)」で計算します(原価率と粗利率は足して100%なので、どちらで計算しても同じ売価になります)。「原価に目標粗利率をそのまま掛けて足す(原価×(1+目標粗利率))」と混同しやすいので注意してください。
誤り: 売価 = 原価 × (1 + 目標粗利率)
「原価率」も「粗利率」も、割合の分母は売価(売上)であって原価ではありません。目標の粗利率から売価を決めるときも同じで、分母はこれから決める売価そのものです。そのため、原価に(1+目標粗利率)を掛け算するのではなく、原価を(1−目標粗利率)で割り算します。
たとえば原価1,000円の商品で、目標の粗利率を30%にしたい場合、正しい売価は1,000÷(1−0.30)=約1,429円です。ここで「原価に30%を足せばいい」と考えて1,000×(1+0.30)=1,300円のように計算してしまうと、正しい売価より129円安い金額になります。1,300円で売った場合、実際の粗利率は目標の30%ではなく、約23.1%にしかなりません。
下の表は、原価1,000円のときの目標粗利率ごとの正しい売価と、この「よくある誤計算」との差です。目標粗利率をタップすると、その条件で「②売価を決める」の計算機が開きます。
| 目標粗利率 | 正しい売価 | よくある誤計算 | 差 |
|---|---|---|---|
| 20% | 1,250円 | 1,200円 | 50円 |
| 30% | 1,429円 | 1,300円 | 129円 |
| 40% | 1,667円 | 1,400円 | 267円 |
| 50% | 2,000円 | 1,500円 | 500円 |
| 60% | 2,500円 | 1,600円 | 900円 |
原価1,000円で計算しています。「よくある誤計算」は原価に目標粗利率をそのまま足し算した金額で、この金額で売ると、実際の粗利率は目標より低くなります。逆に、売価から原価の上限を決めたい場合は「②売価を決める」の「売価から原価の上限を決める」に切り替えてください。値引き後の価格をすぐ計算したいときは割引KAZOERUも使えます。
掛け率とは?
掛け率は、卸値(仕入れ値)が上代(希望小売価格)の何割にあたるかを表す割合で、卸売・小売の商慣行で使われる呼び方です。
計算式そのものは、ここまでの原価率(原価÷売上)と同じです。卸値を原価、上代を売上に置き換えれば同じ式になります。たとえば卸値6,000円・上代10,000円なら、掛け率は60%です。掛け率60%を「6掛」、65%を「6掛5分」のように、10%刻みを「◯掛」、1%刻みを「◯分」と呼ぶ言い方もあります。逆に上代と掛け率から卸値を求めることもでき、たとえば上代10,000円・掛け率65%なら卸値は6,500円です。
「掛け率」という言葉そのものを定義した公的機関・業界団体の原本は見つかりませんでした。商慣行上の呼び名で、業種ごとの相場(「この業界なら◯掛が普通」といった数値)は、出典のない数値になるためこのツールでは扱っていません。
値入率と粗利率の違いは?
計算式は同じですが、使うタイミングが違います。値入率は仕入れた商品の値段を決めるときに使う計画上の比率で、粗利率は実際に売れたあとの実績を表す比率です。
実際に、想定売価1,000円・仕入原価400円のときの値入率は60%で、原価400円・売上1,000円のときの粗利率60%と同じ値になります。式としてはまったく同じものであることがわかります。
違いが出てくるのは、値引き販売やロス(売れ残り・廃棄)がある場合です。値入率は、値付けの時点で「このくらいの利益を乗せたい」と見込む計画上の比率であるのに対し、粗利率は値引きやロスを含んだ実際の売上と原価から事後的に計算する比率です。セールで値引きをしたり、売れ残りが出たりすると、実際の売上はもともと見込んだ価格どおりにはならないため、実績の粗利率は値付け時の値入率より低くなりがちです。
損益分岐点はどう計算する?
損益分岐点売上高は「固定費÷(1−変動費率)」で計算します。
必要売上高 = (固定費 + 目標利益) ÷ (1 − 変動費率)
安全余裕率(%) = (実際の売上高 − 損益分岐点売上高) ÷ 実際の売上高 × 100
たとえば固定費200,000円・変動費率50%の場合、損益分岐点売上高は400,000円です(J-Net21「損益分岐点を使った目標売上高」に載っている例と同じ数字です)。ここからさらに目標利益100,000円をのせたい場合、必要な売上高は600,000円になります。実際(見込み)の売上高が500,000円だとすると、損益分岐点売上高400,000円との差から、安全余裕率は20%と計算できます。安全余裕率が高いほど、売上が落ち込んでも赤字になりにくいことを示します。
この計算を使うには、あらかじめ費用を固定費(家賃や正社員の給与など、売上に関わらずかかる費用)と変動費(仕入れや原材料費など、売上に比例してかかる費用)に分けておく必要があります。J-Net21も述べているとおり、実際の会社ではこの分け方をきっちり決めるのは簡単ではなく、どの費用をどちらに分類するかは会社によって異なります。このツールは、すでに分けられた固定費・変動費率を受け取って計算するだけで、分け方そのものは判断しません。
このツールの前提(かならず確認)
- 原価・売上(卸値・上代)は、同じ税込・税抜の基準でそろっている前提で計算しています。原価は税抜、売価は税込のように基準が混ざると、正しい原価率・粗利率にはなりません
- 損益分岐点・必要売上高・安全余裕率は、費用をあらかじめ固定費と変動費に分けてある前提で計算します。分け方は会社によって異なり、このツールは分け方そのものは判断しません
- 「掛け率」は卸売・小売の商慣行で使われる呼び方で、計算式に独自の基準があるわけではありません。業種ごとの相場の数値は扱っていません
- 実際の原価率・粗利率・損益分岐点は、送料・手数料・値引き・ロスなど、このツールに入力していない要素によって変わる場合があります
- 表示される金額・割合は、円未満・小数第2位以下を四捨五入しています
よくある質問
「値入率」と「粗利率」は結局どちらを使えばいい?
原価率と粗利率を足すと100%になるのはなぜ?
「掛け率」は原価率と同じ計算式なのに、なぜ違う言葉がある?
損益分岐点を下回ったらすぐに赤字ということ?
固定費と変動費の分け方がわからない場合は?
原価や売価は税込・税抜どちらで入力すればいい?
出典
原価率・粗利率(売上総利益率)の定義: J-Net21(中小企業基盤整備機構)「損益計画の書き方」
損益分岐点売上高・限界利益率・目標利益達成売上高: J-Net21「損益分岐点を使った目標売上高」
安全余裕率の考え方: J-Net21「損益分岐点の計算方法と経営改善に向けた活用方法を教えてください。」
値入れ(値入率)の考え方: J-Net21「価格設定の考え方」
値入率と原価率の関係: J-Net21「いまある在庫の金額は、どうやって計算すればよいでしょうか?」
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