使い方
- あなた(パート等)の年収と、配偶者(扶養してくれる方)の年収を入力する
- 勤務先の従業員数(常時51人以上か)と、週の所定労働時間(20時間以上か)にチェックを入れる
- お住まいの都道府県・年齢区分・住民税の級地区分を選ぶ
- 所得税・住民税・社会保険・配偶者控除それぞれの判定と、手取りの実額が表示される
計算のしくみ
このツールは、次の4種類の「壁」をそれぞれ別の制度として判定しています。所得税・住民税は基礎控除や非課税限度額から課税最低限を算出する方式、社会保険は日本年金機構が示す要件(所定内賃金・週の労働時間・企業規模・年間収入)にそのまま照らす方式、配偶者(特別)控除は国税庁の区分表を年収に逆算する方式です。金額はすべて計算のたびにこれらの制度データから求め直しており、ページに固定の数字として書き込んではいません。制度が改正されれば、この計算も自動的に新しい金額に切り替わります。
2026年の年収の壁、全部でいくつある?
「年収の壁」と呼ばれるものは1つではなく、少なくとも6種類あります。下の一覧表のとおり、税金の壁(所得税・住民税・配偶者控除)と社会保険の壁(106万円・130万円)はまったく別の制度で、超えたときに起きることも、手取りへの影響も違います。次の章から、それぞれの壁が具体的に何を意味するのかを説明します。
| 壁 | 金額 | 何が変わるか | 根拠・2026年時点の状態 |
|---|---|---|---|
| 106万円の壁社会保険の壁(106万円) | 1,056,000円以上 | 勤務先の健康保険・厚生年金保険に自分で加入する。保険料は労使折半で給与から天引きされ、手取りが一段下がる。代わりに将来の老齢厚生年金が増え、傷病手当金・出産手当金の対象になる。 | 週20時間以上・学生でない・2か月を超える雇用の見込み・厚生年金保険の被保険者が常時50人を超える(51人以上)企業、の全てに当てはまる人が対象。 予定: 賃金要件(月額88,000円以上)は令和8年10月に撤廃予定。施行期日を定める政令は2026-09-15時点で未公布で、法律上の期限は令和7(2025)年6月から3年以内(2028-06-19)。 |
| 119万円の壁住民税の壁 | 1,190,000円まで | 住民税の非課税限度額から外れ、均等割(森林環境税を含む)と所得割の両方が課税の対象になる。 | 2026年(令和8年)の所得(住民税は翌年度に課税される)。均等割の限度額は市町村の条例で決まるため、実際の金額は自治体で違うことがある。なお、この額を超えても**所得割が直ちに発生するとは限らない**。所得割は「給与所得−社会保険料控除−基礎控除43万円」が残って初めてかかるので、勤務先の社会保険に入っている人は所得割がかかり始める年収がこれより上になる(超えた時点で確実にかかるのは均等割の方)。 |
| 130万円の壁社会保険の壁(130万円) | 1,300,000円以上 | 配偶者の健康保険の被扶養者・国民年金第3号被保険者から外れる。勤務先の社会保険に入れない場合は、国民年金保険料と国民健康保険料を自分で払うことになる。 | 同一世帯なら被保険者の年間収入の2分の1未満であることも要件。19歳以上23歳未満の150万円枠は**被保険者の配偶者には使えない**。 |
| 136万円の壁配偶者控除の壁 | 1,360,000円まで | ここまでは配偶者控除。これを超えると配偶者特別控除に変わる。ただし配偶者特別控除も一定の年収までは控除額が同じなので、この時点では配偶者側の税額は変わらない。 | 2026年(令和8年)の所得から。控除額が実際に減り始めるのは年収1,690,000円を超えてから。 |
| 178万円の壁所得税の壁 | 1,780,000円まで | 所得税がかかり始める。ただし超えた分にかかるのは5%なので、手取りが逆転することはない。 | 2026年(令和8年)の所得から(令和8年度税制改正で引き上げ)。社会保険料控除などがあれば、実際に所得税がかかり始める年収はこれより上になる。 |
| 207万円の壁配偶者特別控除の壁 | 2,070,000円まで | 配偶者特別控除がなくなる。配偶者側(控除を受けていた側)の税負担が増える。 | 2026年(令和8年)の所得から。控除額は年収1,690,000円を超えたところから段階的に減っていき、ここでゼロになる。 |
所得税の壁 — なぜ178円になったか
所得税は、年収から給与所得控除と基礎控除を引いた課税所得がプラスにならなければかかりません。給与所得控除740,000円 + 基礎控除1,040,000円 = 1,780,000円。給与収入のみ・他の所得控除を考えない場合の課税最低限。これまで103万円と呼ばれてきたラインは、令和8年度税制改正で給与所得控除の最低保障と基礎控除がそれぞれ引き上げられた結果、1,780,000円まで上がっています。2026年(令和8年)の所得から(令和8年度税制改正で引き上げ)。社会保険料控除などがあれば、実際に所得税がかかり始める年収はこれより上になる。生命保険料控除やiDeCoなど他の所得控除がある人は、実際に所得税がかかり始める年収はこれよりさらに上になります。
住民税の壁 — 均等割と所得割、住んでいる場所で違う
住民税には、定額で課税される「均等割」(森林環境税を含む)と、所得に応じて課税される「所得割」の2種類があります。非課税限度額(合計所得金額)を給与収入に逆算した額。均等割は450,000円(1級地・1人)、所得割は450,000円(全国一律)。給与所得控除を足し戻して求めている。2026年(令和8年)の所得(住民税は翌年度に課税される)。均等割の限度額は市町村の条例で決まるため、実際の金額は自治体で違うことがある。なお、この額を超えても**所得割が直ちに発生するとは限らない**。所得割は「給与所得−社会保険料控除−基礎控除43万円」が残って初めてかかるので、勤務先の社会保険に入っている人は所得割がかかり始める年収がこれより上になる(超えた時点で確実にかかるのは均等割の方)。このツールで級地区分を切り替えると、均等割がかからない年収の上限がどう動くかを確認できます。なお、この壁の金額を超えても所得割が直ちに発生するとは限りません。所得割は給与所得から社会保険料控除・基礎控除を引いてもなお所得が残る場合にかかるため、勤務先の社会保険に入っている人ではこの壁よりも高い年収からかかり始めます。判定パネルの「住民税(所得割)」は、この壁の金額との比較ではなく、社会保険料控除まで反映した実際の課税所得で判定しています。
社会保険の壁 — 106万円と130万円
106万円の壁は、短時間労働者への社会保険の適用拡大にともなうものです。週20時間以上・学生でない・2か月を超える雇用の見込み・厚生年金保険の被保険者が常時50人を超える(51人以上)企業、の全てに当てはまる人が対象。5つの要件(週の所定労働時間・企業規模・学生でないこと・雇用期間の見込み・賃金)をすべて満たすと、勤務先の健康保険・厚生年金保険に自分で加入することになります。保険料は労使折半で給与から天引きされ手取りは下がりますが、将来の老齢厚生年金が増え、傷病手当金・出産手当金の対象にもなります。賃金要件については賃金要件(月額88,000円以上)は令和8年10月に撤廃予定。施行期日を定める政令は2026-09-15時点で未公布で、法律上の期限は令和7(2025)年6月から3年以内(2028-06-19)。
130万円の壁は、配偶者の健康保険の被扶養者・国民年金第3号被保険者でいられる年間収入の上限です。日本年金機構の被扶養者認定の基準「年間収入1,300,000円未満であること」。2026-04-01以降は労働条件通知書等に記載の賃金から見込まれる年間収入で判定する。この「年間収入」は労働基準法11条の賃金で、諸手当・賞与も含む(106万円の判定より算入範囲が広い)。この壁を越えて勤務先の社会保険にも加入できない場合は、令和8年度の国民年金保険料(年額215,040円)と、自治体ごとに決まる国民健康保険料を自分で負担することになります。60歳以上・障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者は上限が1,800,000円になりますが、このツールは60歳未満を前提に判定しているため、その場合は実際より厳しめの判定が出る点に注意してください。
配偶者控除の壁 — 136円と207円
同一生計配偶者の合計所得金額の要件(620,000円以下)を給与収入に逆算した額。2026年(令和8年)の所得から。控除額が実際に減り始めるのは年収1,690,000円を超えてから。ここを超えたからといって配偶者側の税額がすぐに増えるわけではありません。配偶者特別控除に切り替わったあとも、2026年(令和8年)の所得から。控除額は年収1,690,000円を超えたところから段階的に減っていき、ここでゼロになる。控除がなくなるのは配偶者(パート等)の年収が2,070,000円を超えたときで、そこで初めて配偶者(扶養する側)の税負担が段階的に増えていきます。
結局、手取りが減る「壁」は106万円と130万円だけ
ここまでの壁のうち、本人(パート等)の手取りが実際に下がるのは106万円の壁と130万円の壁の2つだけです。178万円の壁を超えても、超えた分にかかる所得税率は5%からなので手取りが逆転することはありません。136万円・207万円の配偶者(特別)控除の壁は、扶養する側の税負担が増えるだけで、本人の手取りには影響しません。「壁を1円でも超えると損をする」という言い方は、正確には社会保険の2つの壁にだけ当てはまります。上の早見表で色をつけた行が、実際に手取りが下がる行です。
働き損にならない年収はいくら?
年収1,290,000円のときの世帯手取り5,270,168円が、1,300,000円で195,540円下がる。追い付くのは年収1,510,000円から。このように、壁を越えた直後は世帯の手取りが一時的に下がっても、年収をさらに増やせば元の水準に追いつきます。「壁の少し手前で止める」だけでなく、「思い切って壁を超えて働く」という選択肢も、実額で比べれば十分に検討に値します。ご自身の条件での金額は、上の判定パネルで年収を動かして確認してください。
このツールの前提(かならず確認)
- 60歳以上・障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者向けの被扶養者の上限(1,800,000円)には対応していません。年齢区分は39歳以下・40〜64歳のみを扱い、130万円の上限で判定しています
- 配偶者(扶養する側)は、勤務先の社会保険に加入する給与所得者・介護保険なし(39歳未満)・扶養親族なしという前提で、税への影響を試算しています。実際の配偶者の状況(自営業・年齢・他の扶養親族の有無など)によって金額は変わります
- あなた(パート等)にも、16歳以上の扶養親族はいない前提です
- 国民健康保険料は自治体ごとに条例で決まり全国一律の表がないため、未入力(0円)として計算しています。社会保険の状態が「国民年金・国民健康保険」になる年収では、実際の手取りはここでの表示より少なくなります
- 住民税は同じ年収が続く前提の翌年度課税額の近似です。実際には翌年に課税されるため、手取りの落ち込みは1年遅れて起きます
- 106万円の壁の賃金要件の撤廃は2026年時点で施行時期が確定していないため、このツールの判定には反映していません(予定として表示のみ)
- 給与収入のみのモデルです。生命保険料控除・iDeCo・住宅ローン控除など他の所得控除・税額控除がある場合、実際の金額はここでの表示と異なります
よくある質問
出典
壁の金額・要件は、いずれも次の一次情報にもとづいて計算しています。
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
- 厚生労働省「『年収の壁』への対応」
- e-Gov法令検索「健康保険法」3条1項9号(リビジョン 211AC0000000070_20260801_508AC0000000031)
- e-Gov法令検索「厚生年金保険法」12条5号(リビジョン 329AC0000000115_20260401_507AC0000000074)
- e-Gov法令検索「地方税法」295条3項・附則3条の3(リビジョン 325AC0000000226_20270101_508AC0000000002)
- 国税庁 タックスアンサー No.1410「給与所得控除」
- 日本年金機構「労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて」
- 日本年金機構「19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります」
- 国税庁 タックスアンサー No.1191「配偶者控除」
- 国税庁 タックスアンサー No.1199「基礎控除」
- 国税庁 タックスアンサー No.1195「配偶者特別控除」