給与所得控除KAZOERU

年収(給与・額面)を入れるだけで、給与所得控除額と給与所得がその場でわかる。令和8年分の最低保障・特例表・所得税法別表第五にもとづく厳密な値で計算します。

給与所得
適用区分

年収を入力すると、どの規定で決まったかが表示されます。

2026年の所得(所得税は令和8年分・住民税は令和9年度分)が前提です。地方税法313条2項により、住民税(令和9年度分)の給与所得控除額・給与所得もここで表示している所得税(令和8年分)の値と同じになります。

入力した内容はこの画面内だけで計算され、どこにも送信されません。

使い方

  1. 年収(給与の額面。賞与を含む年間の総支給額)を入力する
  2. 給与所得控除額・給与所得・どの規定で決まったかがその場で表示される
  3. 下の早見表で、ほかの年収での金額も確認できる

給与所得控除の計算の流れ

給与所得控除額は年収そのものから決まるのではなく、まず年収がどの帯に入るかを判定し、その帯ごとの規定(最低保障・特例表・所得税法別表第五・速算表)にあてはめて「給与所得」を求め、年収との差額として求まります。

年収(給与収入) − 給与所得控除額 = 給与所得

このツールは常にこの逆、つまり「給与所得(改正後の規定どおりの厳密値)」をまず計算し、年収との差額を給与所得控除額として表示しています(給与所得控除額を先に計算して差し引く、という向きの近似はしていません)。

給与所得控除とは(国税庁 No.1410)

給与所得控除は、給与所得者(会社員・パート・アルバイトなど、勤務先から給与を受け取る人)の税金を計算するときに、年収(給与の収入金額)から一定の金額を差し引く制度です。個人事業主が売上から実際にかかった経費を必要経費として差し引けるのに対し、給与所得者は経費を1つずつ計算するかわりに、収入額に応じて決まるこの給与所得控除を差し引きます。年収からこの控除額を差し引いた後の金額を「給与所得」と呼び、そこからさらに社会保険料控除や基礎控除などの所得控除を差し引いたものが課税所得になります。

令和8年分の給与所得控除額の帯

2026年の所得(所得税は令和8年分・住民税は令和9年度分)にもとづくと、給与所得控除額の決まり方は年収に応じて次の帯に分かれています。

年収の範囲給与所得控除額の決め方
74万1,000円未満ゼロ(措法29条の4第2項)
74万1,000円以上220万円未満特例表(最低保障740,000円、または段階表)
220万円以上360万円未満所得税法別表第五
360万円以上660万円未満所得税法別表第五(係数が変わる帯)
660万円以上850万円未満給与所得控除の速算表
850万円以上上限1,950,000円で頭打ち

年収74万1,000円未満では給与所得がゼロで固定され、年収850万円以上では給与所得控除額が上限で頭打ちになります。どちらも年収が変わってもその値だけは動かない帯です。詳しいしくみは下の各節で説明します。

給与所得控除額の早見表(年収74万1,000円〜1,000万円)

年収100万円〜1,000万円を50万円刻みで並べ、控除額・給与所得が変わる境界の年収も行として加えています。網かけの行が境界です。

年収給与所得控除額給与所得区分
741,000円740,000円1,000円特例表(最低保障)
1,000,000円740,000円260,000円特例表(最低保障)
1,500,000円740,000円760,000円特例表(最低保障)
2,000,000円740,000円1,260,000円特例表(最低保障)
2,191,000円740,000円1,451,000円特例表(段階)
2,193,000円740,000円1,453,000円特例表(段階)
2,196,000円740,000円1,456,000円特例表(段階)
2,200,000円740,000円1,460,000円別表第五
2,500,000円830,000円1,670,000円別表第五
3,000,000円980,000円2,020,000円別表第五
3,500,000円1,130,000円2,370,000円別表第五
3,600,000円1,160,000円2,440,000円別表第五
4,000,000円1,240,000円2,760,000円別表第五
4,500,000円1,340,000円3,160,000円別表第五
5,000,000円1,440,000円3,560,000円別表第五
5,500,000円1,540,000円3,960,000円別表第五
6,000,000円1,640,000円4,360,000円別表第五
6,500,000円1,740,000円4,760,000円別表第五
6,600,000円1,760,000円4,840,000円速算表
7,000,000円1,800,000円5,200,000円速算表
7,500,000円1,850,000円5,650,000円速算表
8,000,000円1,900,000円6,100,000円速算表
8,500,000円1,950,000円6,550,000円速算表
9,000,000円1,950,000円7,050,000円速算表
9,500,000円1,950,000円7,550,000円速算表
10,000,000円1,950,000円8,050,000円速算表

特例表のしくみ(租税特別措置法29条の4第2項)

本来の所得税法では、給与所得控除の最低保障額は740,000円ではなく69万円で、それ未満の年収には所得税法別表第五がそのまま適用されます。しかし令和8年分・令和9年分に限り、租税特別措置法29条の4第2項が年収220万円未満の部分を上書きする特例表を定めており、これによって最低保障額が740,000円に、対象になる年収の上限が220万円未満に、それぞれ引き上げられています。

この特例表は、年収74万1,000円未満は給与所得がゼロ、74万1,000円以上219万1,000円未満は「年収−740,000円」、219万1,000円以上220万円未満は1,451,000円・1,453,000円・1,456,000円の3段、という構成になっています。220万円ちょうどで所得税法別表第五の計算結果と連続してつながるように作られています。

所得税法別表第五のしくみ(4,000円刻み)

年収220万円以上660万円未満は、所得税法別表第五という表で給与所得を求めます。この表は年収を4,000円ごとの帯に区切り、帯ごとに「A」という値(年収を4で割った金額の千円未満を切り捨てたもの)を求め、Aに応じた給与所得を割り当てる作りです。Aは年収が4,000円変わるごとに1,000円動くため、給与所得も4,000円刻みでしか変わりません。年収が1円変わっても、同じ4,000円の帯の中にとどまる限り給与所得は変わらないのはこのためです。

所得税法別表第五にあたり、A(年収を4で割って千円未満を切り捨てた額)=1,250,000円をあてはめた金額が給与所得になります。たとえば年収5,000,000円の場合、A=1,250,000円 → A×3.2−440,000円=3,560,000円(所得税法別表第五)という計算になります。Aに掛ける係数と差し引く額は、年収360万円を境に切り替わります。

なお、この表であてはまる部分は年収220万円以上660万円未満で、それ以上の年収では給与所得控除の速算表(所得税法28条3項)に切り替わります。速算表の部分は4,000円刻みではなく、年収1円ごとに連続的に変化し、年収850万円以上では控除額が上限の1,950,000円に達して頭打ちになります。

改正の経緯(令和8年度税制改正)

給与所得控除の最低保障額は、国税庁 No.1410の年分ごとの表によると、令和2年分から令和6年分までは55万円(給与収入162万5,000円までの場合)、令和7年分は65万円(給与収入190万円までの場合)でした。続く令和8年度税制改正では、所得税法が定める本来の最低保障額そのものが69万円に引き上げられたうえ、令和8年分・令和9年分の所得に限り、租税特別措置法29条の4により5万円が上乗せされ、合計740,000円(給与収入220万円までの場合)になっています。65万円は令和7年分だけの金額で、令和8年分からは使いません。この+5万円の特例は令和8年分・令和9年分の所得に適用される時限的な規定で、令和10年分以後どうなるかはこの時点で確認できている資料の範囲では明記されていません。

所得税(令和8年分)と住民税(令和9年度分)で給与所得控除額は同じ?

はい、同じです。2026年の所得(所得税は令和8年分・住民税は令和9年度分)が前提のこのツールでは、所得税と住民税で給与所得・給与所得控除額の求め方を分けていません。地方税法313条2項は、住民税の総所得金額を「所得税法その他の所得税に関する法令の規定による計算の例により算定する」と定めており、この「所得税に関する法令」には租税特別措置法も含まれます。そのため、令和8年分・令和9年分限定の給与所得控除の特例(措法29条の4)も、住民税の令和9年度分・令和10年度分にそのまま適用されます。財務省が公表した令和8年度税制改正の大綱の概要でも、この特例は個人住民税の令和9年度分及び令和10年度分に適用されると明記されています。

給与所得控除と基礎控除の違い

給与所得控除と基礎控除は、どちらも税金の計算で収入や所得から差し引かれる仕組みですが、対象と決まり方が異なります。給与所得控除は給与所得者だけが対象で、必要経費のかわりとして、給与の収入金額に応じて決まります(国税庁No.1410)。一方、基礎控除は所得の種類を問わずほとんどの納税者が対象で、合計所得金額に応じて決まります(国税庁No.1199)。会社員の場合、まず年収から給与所得控除を差し引いて給与所得を求め、その給与所得(を含む合計所得金額)から基礎控除などの所得控除をさらに差し引いて課税所得を求める、という2段階の関係になっています。基礎控除の金額や早見表、実際の所得税額は所得税KAZOERUで確認できます。

このツールの前提(かならず確認)

よくある質問

給与所得控除とは何ですか?
給与所得控除は、給与所得者の税金を計算するときに、給与の収入金額(年収)から一定の金額を差し引く制度です(国税庁No.1410)。個人事業主が売上から実際にかかった必要経費を差し引けるのに対して、給与所得者は一つひとつの経費を計算するかわりに、この給与所得控除を差し引きます。差し引いた後の金額が「給与所得」です。
給与所得控除額は年収に比例して増え続けますか?
いいえ。年収74万1,000円未満は給与所得がゼロになり、74万1,000円から220万円未満までは最低保障額の740,000円で足踏みします。220万円を超えると所得税法別表第五にもとづいて4,000円刻みで増えていき、年収が850万円以上になると上限の1,950,000円で頭打ちになります。年収が上がるほど、給与所得控除額が年収に占める割合はゆるやかに下がっていく仕組みです。
令和7年分までの65万円という金額はどうなりましたか?
国税庁の年分ごとの表によれば、給与所得控除の最低保障額は令和2年分から令和6年分まで55万円、令和7年分は65万円でした(国税庁No.1410)。令和8年度税制改正で所得税法本来の最低保障額が69万円に引き上げられ、さらに令和8年分・令和9年分に限り租税特別措置法29条の4の特例で5万円が上乗せされた結果、合計740,000円になっています。65万円という金額は令和7年分だけの金額で、令和8年分からは使いません。
所得税と住民税で給与所得控除額は違いますか?
2026年の所得(所得税は令和8年分・住民税は令和9年度分)という前提であれば、所得税(令和8年分)と住民税(令和9年度分)で給与所得控除額・給与所得は同じ金額になります。地方税法313条2項が住民税の所得計算を所得税の計算例によるとしているため、令和8年分・令和9年分限定の特例もそのまま住民税に反映されます。
会社員以外(個人事業主・年金受給者)でも使えますか?
使えません。給与所得控除は給与所得(会社員・パート・アルバイトなどが勤務先から受け取る給与)だけが対象です。個人事業主の事業所得は必要経費を、年金収入は公的年金等控除をそれぞれ差し引く仕組みで、給与所得控除とは別の制度です。

出典

国税庁 タックスアンサー No.1410「給与所得控除」 /所得税法28条3項・4項・別表第五(e-Gov法令検索) /租税特別措置法29条の4(e-Gov法令検索)

国税庁 令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A(令和8年5月) /国税庁 タックスアンサー No.1199「基礎控除」

地方税法313条2項(e-Gov法令検索) /財務省 令和8年度税制改正の大綱の概要

所得税法別表第五(改正後)の全行は、法令原文から機械抽出した表とエンジンの計算式を突き合わせて検証しています。このページは給与所得控除の計算を行うもので、税務相談や確定申告の代行ではありません。個別の判断が必要な場合は税務署・税理士にご確認ください。