公務員の退職金はいくら?(早見表)
俸給月額500,000円の場合、勤続38年で定年退職すると支給割合は47.709(俸給月額の47.709倍)で、基本額は23,854,500円になります。同じ勤続年数・同じ俸給月額でも自己都合退職なら支給割合は42.771まで下がり、基本額は21,385,350円になります。勤続年数の行をタップすると、その条件で計算機が開きます。
| 勤続年数 | 自己都合 | 定年など |
|---|---|---|
| 10年 | 5.022 | 8.37 |
| 15年 | 10.379 | 16.217 |
| 20年 | 19.67 | 24.587 |
| 25年 | 28.04 | 33.271 |
| 30年 | 34.736 | 40.804 |
| 35年 | 39.758 | 47.709 |
| 38年 | 42.771 | 47.709 |
| 42年 | 46.788 | 47.709 |
| 45年 | 47.709 | 47.709 |
支給割合は「俸給月額の何倍が基本額になるか」を表す数値です(たとえば47.709なら、俸給月額の47.709倍が基本額になります)。整理退職・公務上の死亡や傷病、公務によらない病気などによる退職は、この表とは異なる割合になります。計算機の「退職理由」で選ぶと、その条件の支給割合を計算できます。
退職手当はどうやって計算する?
退職手当は「基本額」と「調整額」の合計です。
基本額は、俸給月額に「支給割合」を掛けて計算します。支給割合のもとになるのは、勤続年数と退職理由から国家公務員退職手当法の本則(第3条〜第5条)が定める「支給率」ですが、実際の計算にはこの支給率をそのまま使いません。法律の附則(2018年1月から「当分の間」の措置)により、支給率に調整率83.7%を掛けた数値が「支給割合」として使われます。
この83.7%を掛け忘れると、基本額は実際より約19.5%も高く出てしまいます。人事院が公表している「国家公務員退職手当支給割合一覧」は、この調整後の数値(支給割合)を載せたものです。このツールも同じ調整後の数値で基本額を計算しています。
支給率は退職理由によって変わります。自己都合退職は、勤続10年以下だと法律の本則の割合の60%、11〜15年で80%、16〜19年で90%に減額され、20年以上になると減額がなくなり本則どおりの割合になります。定年・任期満了・応募認定などによる退職は、勤続11年以上になると自己都合より割合の高い条文が使われるため、同じ勤続年数でも定年退職などのほうが支給割合は高くなります(整理退職・公務上の死亡や傷病による退職は、さらに勤続年数の下限なく高い割合が使われます)。
調整額は、退職前の役職に応じた「調整月額」(11段階の区分ごとに金額が決まっています)に、対象月数(上限60か月)を掛けて計算します。自己都合退職は勤続9年以下だと調整額が0円、10〜24年だと半額になります。自己都合以外の退職理由は、勤続0年だと0円、1〜4年だと半額になります。区分がわからない場合は「わからない・その他」を選ぶと、調整額は0円として計算されます(基本額の計算には影響しません)。
定年に達する前に、募集に応じて(応募認定を受けて)退職する場合は、定年までの残り期間が6か月以上20年以内であれば、俸給月額を割り増ししてから支給割合を掛ける特例があります。割増率は、定年までの残り年数1年につき、指定職でない職員はおよそ3%(残り年数がおよそ1年のときは2%)です。この特例が使えるのは、勤続20年以上で、退職理由が「定年・任期満了・応募認定など」の場合だけです。
自己都合と定年でどれくらい違う?
俸給月額500,000円・勤続38年で比べると、定年退職の支給割合は47.709、自己都合退職の支給割合は42.771で、差は4.938です。退職手当の合計に置き換えると、定年退職が23,854,500円、自己都合退職が21,385,350円で、2,469,150円の差になります。
差が生まれる理由は、適用される条文が違うからです。勤続11年以上になると、定年・任期満了などの退職は割合の高い条文(法4条・法5条)に切り替わりますが、自己都合退職は勤続20年未満だと本則の割合そのものが減額されたうえで法3条1項の割合が使われ続けます。勤続20年以上になると自己都合の減額はなくなりますが、それでも定年退職などに切り替わる条文のほうが割合は高いままです(上の早見表を参照してください。勤続43年以上になると、どちらも上限の47.709で同じになります)。整理退職や公務上の死亡・傷病による退職は、勤続年数の下限なく、定年退職などよりさらに高い割合が使われる法5条の一部が適用されます。
地方公務員も同じ?
地方公務員の退職手当は、国家公務員退職手当法そのものではなく、各地方公共団体の条例で定められています。多くの自治体は国家公務員に準拠した制度を採用していますが、支給率・調整額の区分や金額が異なる場合があります。このツールは国家公務員退職手当法(と同法施行令)にもとづく計算専用で、地方公務員の方は目安としてのみご利用ください。
市役所・県庁などにお勤めの方は、まず共済組合や人事(給与)担当部署に、適用される条例の名称と内容を確認することをおすすめします。
退職金の税金は?
退職手当の合計から退職所得控除を差し引いた金額の、原則1/2に所得税(復興特別所得税を含む)と住民税がかかります。控除額の計算式や、勤続5年以下の場合の特例(短期退職手当等)など、退職金の税金の詳しい仕組みは退職金KAZOERUで解説しています。
国家公務員は、国税庁のタックスアンサーにあるとおり、所得税法上つねに「役員等」に該当します。そのため、勤続5年以下で退職すると、控除後の金額の1/2をせず全額に課税する「特定役員退職手当等」に必ず当てはまります(役員等でない民間企業の一般社員が対象になる、控除後300万円までは1/2を残す緩和は適用されません)。この計算機の初期値(勤続38年)では通常の1/2計算が適用され、税金は所得税+復興特別所得税83,058円、住民税162,600円で、手取りは23,608,842円になります。
税額は令和8年分の制度にもとづいて計算しており、退職前に勤務先へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出している前提です。提出していない場合は、退職手当の額にかかわらず一律20.42%が源泉徴収され、正しい税額との差額は確定申告で精算します。障害者になったことが直接の原因の退職の場合は退職所得控除にさらに100万円が加算されますが、このツールでは考慮していないため、該当する場合は退職金KAZOERUもあわせてご確認ください。
使い方
- 退職日の俸給月額を入力する
- 退職理由を選ぶ
- 勤続年数を「年」と「ヶ月」で入力する
- 調整額の区分がわかる場合は選ぶ(わからなければ「わからない・その他」のままでよい)
- 募集に応じて定年前に早期退職する場合は、チェックを入れて定年までの残り年数を入力する
- URLに条件を付けて開くと、その条件の結果が最初から表示される(例:
/komuin-taishoku/?pay=400000&years=38&reason=teinenで俸給月額40万円・勤続38年・定年退職、退職手当の合計は19,083,600円)。計算機の下の「この条件のURLをコピー」でも作れる
このツールの前提
- 役職定年などで俸給月額が下がった人を救済する特例(俸給月額の減額改定以外の理由による特例)には対応していません。俸給月額に減額履歴がある場合、実際の基本額はこのツールの結果と異なります
- 勤続3年未満などの極短期勤続者の最低保障額(俸給月額とは別の基本給月額を基礎にする計算)には対応していません
- 指定職(事務次官・局長級などごく上位の職)や特別職幹部等に適用される、特別な調整額(基本額の8.3%)や早期退職の割増率(1%・2%)には対応していません。指定職でない職員の一律の割合・割増率で計算しています
- 俸給が日額で定められている方の退職手当には対応していません
- 地方公務員は各自治体の条例によって支給率・調整額が異なる場合があります(詳しくは上の「地方公務員も同じ?」を参照してください)
- 過去に他の退職金や、iDeCo・企業型DC(確定拠出年金)の老齢一時金を受け取っている場合の退職所得控除の調整は考慮していません
- 実際の支給額は、所属する府省庁の人事(給与)担当部局の算定によります
出典: e-Gov法令検索「国家公務員退職手当法」 / e-Gov法令検索「国家公務員退職手当法施行令」 / 人事院「(職員向け生涯設計情報)第3章 定年後の収入と支出」 / 国税庁タックスアンサー No.2737「役員等の勤続年数が5年以下の者に対する退職手当等」