遺族年金KAZOERU

会社員の夫(平均年収500万円・加入20年)が亡くなり、妻と子2人が残された場合、遺族年金は年185万円(月15.4万円)です(令和8年度の額)。亡くなった人の厚生年金の加入月数・平均年収と、遺族の続柄・年齢・子の人数を入れると、その場で計算します。

短期要件は、在職中や病気・けがの初診日から5年以内に亡くなった場合、1・2級の障害厚生年金を受けていた人が亡くなった場合です(加入月数が300か月未満でも300か月とみなして計算します)。長期要件は、すでに老齢厚生年金を受け取っていたか、受給資格期間が原則25年以上あった人が亡くなった場合です。迷ったら「短期要件」を選んでください。

か月

(20年)

円
人
円
合計(年額)1,848,744 円
合計(月額)154,062 円
遺族基礎年金1,334,900円
遺族厚生年金(報酬比例部分の3/4)513,844円
中高齢寡婦加算(子の要件が終わった後)635,500円
合計(子がいる間)1,848,744円
遺族基礎年金の対象が終わる日2038年3月31日
合計(子の要件が終わった後)1,149,344円

※加入月数が300か月(25年)に満たないため、300か月とみなして計算しています(平成12年改正法附則20条3項)。

遺族年金はいくら?(早見表)

厚生年金に20年加入していた夫を亡くし、妻がちょうど40歳の場合、遺族年金の年額は平均年収と子の人数によって下の表のようになります。年収・子の人数をタップすると、その条件で計算機が開きます。

条件: 厚生年金の加入20年・短期要件、妻40歳、死亡日2027年6月1日の例(いずれも令和8年度の額)。「子0人」の列は中高齢寡婦加算を含む金額(中高齢寡婦加算は妻が65歳になるまで)、「子1人」「子2人」の列は子が遺族基礎年金の対象である間の金額です。子の条件が終わると、1・2人の場合も中高齢寡婦加算を含む金額に切り替わります。

使い方

  1. 亡くなった人の厚生年金の加入月数と、平均年収(額面・賞与込みの目安)を入力する。短期要件・長期要件のどちらにあたるかを選ぶ
  2. 遺族(妻・夫・子)を選び、配偶者が受け取る場合は生年月日を入力する
  3. 子の人数を入力する。1人以上なら末の子の生年月日も入力する(遺族基礎年金がいつまで続くかに使います)
  4. 死亡日を入力する(2028年4月1日以後の日付を入れると、改正後のルールで計算します)
  5. URLに条件を付けて開くと、その条件で最初から計算した結果が表示されます(例: /izoku-nenkin/?income=5000000&months=240&relation=tsuma&children=2&death=2027-06-01)。計算機の下の「この条件のURLをコピー」でも作れます

遺族基礎年金と遺族厚生年金の違いは?

遺族年金は「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」という2つの制度からできています。どちらも受け取れる場合は合算されます。

遺族基礎年金は国民年金の制度で、亡くなった人が保険料納付要件を満たしていれば、子のある配偶者または子に支給されます。金額は令和8年度で847,300円に、子の加算(243,800円が2人目まで、3人目以降は81,300円)を加えた額で、子が全員18歳到達年度の末日を過ぎると終わります。会社員でも自営業者でも共通です。

遺族厚生年金は厚生年金の制度で、亡くなった人の厚生年金の加入記録から計算した報酬比例部分の4分の3が基本額です。短期要件(在職中の死亡など)にあたる場合は、加入月数が300か月に満たなくても300か月とみなして計算するため、加入期間が短い人でも一定額が保障されます。既定の例(平均年収500万円・加入20年・短期要件)では、報酬比例部分は685,126円と計算され、その4分の3の513,844円が遺族厚生年金の基本額になります。妻が受け取る場合は年齢による支給開始の制限がありませんが、夫が受け取る場合は現行制度では死亡当時55歳以上であることが必要です。

65歳以降、遺族厚生年金を受け取っている人が自分の老齢厚生年金も受け取れる場合は、両方を単純に合算するのではなく、日本年金機構の例(遺族厚生年金相当額60万円・自分の老齢厚生年金50万円)のように比較・調整した額になります(下のFAQで計算式を説明します)。

出典: 日本年金機構「遺族年金ガイド 令和8年度版」 / e-Gov法令検索 国民年金法(37条〜41条) / e-Gov法令検索 厚生年金保険法(58条〜65条の2)

中高齢寡婦加算とは?

中高齢寡婦加算は、夫を亡くした40歳以上65歳未満の妻の遺族厚生年金に加算される制度です。子がいて遺族基礎年金を受けている間は加算されず、子が18歳到達年度の末日を過ぎて遺族基礎年金が終わったとき、または子がいないまま40歳を迎えたときから加算が始まります。額は令和8年度で635,500円(遺族基礎年金の満額の4分の3)です。既定の例では、子の条件が終わった後の遺族厚生年金は513,844円+中高齢寡婦加算635,500円で年1,149,344円になります。中高齢寡婦加算は妻にだけ認められた制度で、夫にあたる加算はありません。加算を受けるには、亡くなった人の厚生年金の加入月数が240か月(20年)以上あるか、短期要件にあたる必要があります。

出典: 日本年金機構「遺族年金ガイド 令和8年度版」 / e-Gov法令検索 厚生年金保険法62条

2028年から何が変わる?

2025年に成立した年金制度改正法(令和7年法律第74号)により、遺族厚生年金は2028年4月1日以後に支給事由が生じた人から見直されます。同じ条件を施行日の前後で計算すると、次のように変わります(金額は令和8年度の額で計算)。

妻(33歳・子なし)・2028年3月31日まで513,844円(無期)
妻(33歳・子なし)・2028年4月1日から685,126円(5年有期)
夫(33歳・子なし)・2028年3月31日まで対象外(0円)
夫(33歳・子なし)・2028年4月1日から685,126円(5年有期)

60歳未満で子のない配偶者(平均年収500万円・加入20年の例)は、施行前は年齢や子の有無しだいで無期の遺族厚生年金(この例では513,844円)になりますが、施行後は報酬比例部分の4分の1を上乗せした685,126円を5年間受け取る「有期給付」に変わります。5年経過後も、障害の状態にある人や収入が一定以下の人は、最長65歳まで継続して受け取れます(継続給付。額は収入に応じて調整されます)。夫については、現行制度にある「死亡当時55歳以上」という要件と「60歳になるまでの支給停止」がなくなり、施行後は妻とまったく同じ685,126円・5年有期の扱いになります。

ただし、2048年3月31日までに夫が亡くなった場合、この5年有期のルールが適用されるのは1989年4月2日以後に生まれた妻に限られます。それより前に生まれた妻は、施行日以後に夫が亡くなった場合でも現行制度の無期の扱いのままです(既定の例と同じ条件で妻の生年月日だけ1980年1月1日にすると、施行後の死亡でも無期のままになることを確認できます)。夫にはこの生年月日による経過措置はありません。

子の加算にも変更があります。現行制度では1・2人目の子は243,800円、3人目以降は81,300円ですが、2028年4月分からは人数にかかわらず1人あたり同じ額になり、遺族厚生年金も受け取る場合は、遺族基礎年金ではなく遺族厚生年金の「子の加給年金額」として支給されます。あわせて、生計を同じくする父母と同居している子は現行制度では遺族基礎年金が支給停止されますが、この停止もなくなります。子3人が父母と同居しているケース(平均年収500万円・加入20年の例)で比べると、施行前は遺族基礎年金が停止されて遺族厚生年金だけの年513,844円ですが、施行後は停止がなくなり遺族基礎年金・子の加算を含めた年1,946,144円になります。

妻の中高齢寡婦加算は2053年4月1日までに支給事由が生じた妻については、生年月日に応じた率をかけて段階的に縮小しながら残ります。5年の有期給付を受ける妻でも、40歳以上であれば中高齢寡婦加算をあわせて受け取れます。

出典: 厚生労働省「遺族厚生年金の見直しについて」 / 厚生労働省「年金制度改正法の概要」 / 厚生労働省「法律説明資料(詳細版)」 / 厚生労働省「遺族厚生年金の見直しに対して寄せられている指摘への考え方」

このツールの前提(かならず確認)

出典(前提の各文): 国民年金法・厚生年金保険法(条文は各節のリンクを参照) / 日本年金機構「年金額の端数処理」

よくある質問

自営業者など、厚生年金に入っていなかった人が亡くなったら?

遺族厚生年金の対象にはなりませんが、亡くなった人が国民年金の保険料納付要件を満たしていて、子のある配偶者または子が残された場合は、遺族基礎年金は受け取れます。子1人の例では年1,091,100円です。会社員・公務員でなくても遺族基礎年金だけは共通の制度だからです。

夫を亡くした場合、妻を亡くした場合と条件は同じ?

現行制度では異なります。遺族基礎年金(子のある配偶者・子が対象)は夫でも妻でも同じ条件ですが、遺族厚生年金は夫が55歳未満だと、妻の死亡当時に子がいても夫自身は受け取れず、子がいれば遺族厚生年金は子が受け取ります(平均年収500万円・加入20年・子1人の例では、夫が遺族基礎年金を年1,091,100円、子が遺族厚生年金を年513,844円受け取り、世帯の合計は年1,604,944円です)。子もいない場合、55歳未満の夫は現行制度では遺族厚生年金をまったく受け取れません。2028年4月以後の死亡では、この年齢差はなくなります(下の「2028年から何が変わる?」で説明します)。

中高齢寡婦加算は夫(男性)ももらえる?

いいえ。中高齢寡婦加算は妻にだけ認められた加算で、夫にあたる制度はありません(厚生年金保険法62条)。2025年の改正でも夫に同じ加算は設けられず、妻の中高齢寡婦加算も段階的に縮小されます(下の「2028年から何が変わる?」を参照)。

子が18歳になったら遺族年金はどうなる?

子が18歳に達した日以後の最初の3月31日を過ぎると、その子は遺族基礎年金・子の加算の対象から外れます。既定の例(末の子が2020年4月1日生まれ)では、対象が終わるのは2038年3月31日です。子がいなくなった後、妻が40歳以上65歳未満であれば中高齢寡婦加算がついた遺族厚生年金(この例では年1,149,344円)に切り替わります。

65歳になったら、遺族厚生年金と自分の老齢厚生年金はどうなる?

65歳以降は自分の老齢厚生年金が全額支給され、遺族厚生年金は「遺族厚生年金の額」と「遺族厚生年金の3分の2+自分の老齢厚生年金の2分の1」の高いほうから、自分の老齢厚生年金の額を差し引いた分だけ支給されます。日本年金機構の例(遺族厚生年金相当額60万円・自分の老齢厚生年金50万円)では、比較額は650,000円になり、実際に遺族厚生年金として受け取るのは150,000円(自分の老齢厚生年金と合わせて650,000円)です。この調整は5年の有期給付になる人は対象外です。

出典

遺族基礎年金・遺族厚生年金・中高齢寡婦加算の額と要件: e-Gov法令検索 国民年金法(27条・37条〜41条・44条)、e-Gov法令検索 厚生年金保険法(43条・58条〜65条の2)、日本年金機構「遺族年金ガイド 令和8年度版」

2025年改正(令和7年法律第74号): 厚生労働省「遺族厚生年金の見直しについて」 / 「年金制度改正法の概要」 / 「法律説明資料(詳細版)」 / 「遺族厚生年金の見直しに対して寄せられている指摘への考え方」

実際の年金額は、日本年金機構の「ねんきんネット」(nenkin.go.jp/n_net/)またはお近くの年金事務所でご確認ください。当サイトは民間のサイトで、日本年金機構その他の公的機関が作成・監修したものではありません。

最終更新日