使い方
- 婚姻期間中の夫婦それぞれの厚生年金の平均年収(標準報酬の目安)を入力する
- 婚姻期間(か月数)を入力する
- 分割の方法(合意分割・3号分割)を選ぶ
- 合意分割の場合は按分割合(上限は2分の1)を入力する。範囲外のときは注意文が表示される
- 離婚日を入力すると、請求期限がその場で表示される
- 分割前後の対象期間標準報酬総額・報酬比例部分の年金額の変化の目安が表示される
- URLに条件を付けて開くと、その条件の結果が最初から表示されます(例:
/nenkin-bunkatsu/?husband=6000000&wife=0&months=240&mode=goi&ratio=50&divorce=2027-03-31)。計算機の下の「この条件のURLをコピー」でも作れます
年金分割でいくら増える?(早見表)
夫の平均年収と婚姻期間が決まれば、妻の厚生年金加入がなく按分割合を上限の2分の1(50%)にした場合の、妻の年金(報酬比例部分)の年額の増加は下の表のとおりです。婚姻期間が長いほど、また夫の年収が高いほど、移る記録が大きくなるため増加額も大きくなります。年収をタップすると、その条件(婚姻期間20年)で上の計算機が開きます。
| 夫の平均年収 | 10年 | 20年 | 30年 |
|---|---|---|---|
| 400万円 | 109,620円 | 219,240円 | 328,860円 |
| 500万円 | 137,025円 | 274,050円 | 411,075円 |
| 600万円 | 164,430円 | 328,860円 | 493,290円 |
| 700万円 | 191,835円 | 383,670円 | 575,505円 |
| 800万円 | 219,240円 | 438,480円 | 657,720円 |
見出しの金額は夫の婚姻期間中の平均年収。列は婚姻期間(10年・20年・30年)。値は妻の年金(報酬比例部分)の年額の増加分(円)で、按分割合50%・妻の厚生年金加入なしの例です。
分割後の年金額はどうやって計算する?
老齢厚生年金の報酬比例部分は、「平均標準報酬額 × 1000分の5.481(平成15年4月以後分の乗率) × 加入月数」で計算します(厚生年金保険法43条・平成12年改正法附則20条)。年金分割では、この計算のもとになる標準報酬の記録そのものを、按分割合(または3号分割なら2分の1)に応じて夫婦間で付け替えます。
たとえば夫の平均年収600万円(月換算500,000円)・婚姻期間20年の場合、夫の記録だけで計算した報酬比例部分は年657,720円です。按分割合50%で合意分割すると、対象期間標準報酬総額のうち60,000,000円分が妻に移り(改定割合50%)、妻の報酬比例部分が年328,860円増え、夫は同じ額だけ減って、分割後はどちらも年328,860円になります。実際の年金額は、老齢基礎年金や加給年金なども合わせた金額になるため、このツールで計算した報酬比例部分だけの増減とは別に確認が必要です。
合意分割と3号分割の違いは?
対象になる期間と決め方が違います。合意分割は婚姻期間中の厚生年金の記録全体(夫婦どちらの記録も)が対象で、按分割合は夫婦の合意(まとまらなければ家庭裁判所の判断)で、分割を受ける側の婚姻期間中の割合を超え2分の1以下の範囲で決めます(厚生年金保険法78条の2・78条の3)。3号分割は、平成20年4月以後に第3号被保険者だった期間に対応する、相手(厚生年金に加入していた側)の記録だけが対象で、按分割合は2分の1と法律で決まっており、相手の同意は不要です(同78条の14)。
上の例(婚姻期間20年・夫の平均年収600万円・妻は専業主婦)のように、婚姻期間の全体が平成20年4月以後の第3号被保険者期間にあたり、合意分割の按分割合も2分の1を選んだ場合は、どちらの方法でも妻の年金の増加額は年328,860円で同じ結果になります。ただし婚姻期間の一部が平成20年4月より前だったり、合意分割の按分割合を2分の1未満にしたりすると、2つの方法で結果が変わります。
按分割合はどう決まる?
合意分割の按分割合(分割を受ける側=第2号改定者の割合)は、婚姻期間中の本来の割合を超え、2分の1以下の範囲で決まります(厚生年金保険法78条の3)。分割を受ける側の持ち分が分割前より減ることはなく、多いほうが少ないほうを下回ることもありません。
たとえば婚姻期間中の厚生年金の記録が多いほう75%・少ないほう25%の夫婦の場合、按分割合(少ないほうの割合)は25%を超え50%以下の範囲で指定でき、上限の50%を選ぶと改定割合は約33.3%になり、夫婦の記録がちょうど半分ずつになります(日本年金機構の解説にある分割のイメージと同じ考え方です)。話し合いで決まらない場合は、家庭裁判所の調停・審判(または離婚訴訟の附帯処分)で按分割合を決めてもらうことになります。3号分割には按分割合を選ぶ余地がなく、2分の1で固定です。
年金分割の請求には期限がある?
年金分割は、原則として離婚等をした日の翌日から起算して5年以内に請求しないと権利がなくなります(厚生年金保険法78条の2)。ただし2026年4月1日より前に離婚等をした場合は、改正前の期限である2年以内のままです。
たとえば2026年3月31日に離婚した場合の請求期限は2028年3月31日まで(2年以内)ですが、1日違いの2026年4月1日に離婚した場合は2031年4月1日まで(5年以内)になります。上の計算機で離婚日を2027年3月31日にした場合の請求期限は2032年3月31日までです。期限を過ぎると原則として年金分割を請求できなくなるため、離婚を考えている場合は早めの確認をおすすめします。
年金分割の手続きはどうやってする?
まず年金事務所(または年金相談センター)に「年金分割のための情報提供請求書」を提出し、「年金分割のための情報提供通知書」の交付を受けて、対象期間・按分割合の範囲・分割した場合の年金額の見込みなどを確認します。合意分割は、この情報をもとに夫婦で按分割合を話し合い、まとまれば公正証書などの書面か、年金事務所での夫婦そろっての請求によって手続きします。話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停・審判(または離婚訴訟の附帯処分)で按分割合を決めてもらい、その結果にもとづいて請求します。3号分割は、対象期間があれば相手の同意なしに単独で請求できます。いずれの方法でも、離婚しただけでは分割されず、年金事務所に請求して初めて記録が改定されます(すでに年金を受け取っている人は、請求した日の属する月の翌月分から年金額が変わります)。
このツールの前提(かならず確認)
- 厚生年金の平均標準報酬月額・平均標準報酬額は、過去の給与を再評価率で今の価値に直した後の額(ねんきん定期便・ねんきんネットの値)を入れる前提です。額面給与の平均をそのまま入れると実際の年金額と食い違います。
- 分割の対象は婚姻期間中の厚生年金の標準報酬(報酬比例部分の記録)だけで、老齢基礎年金(国民年金)は分割されません。公務員などの共済組合の加入期間も分割の対象ですが、このツールは民間の会社員の厚生年金の期間だけで計算しています
- 報酬比例部分は本来水準の式で計算しています。従前額保障の式の方が高い人は、実際の年金額がこの計算より高くなります。
- 報酬比例部分の乗率は、生年月日によらず一律1000分の5.481(平成15年4月以後分の乗率)で計算しています。昭和21年4月1日以前生まれの人は実際の乗率が異なります
- 3号分割は、入力した婚姻期間の全体が平成20年4月以後の第3号被保険者期間にあたるものとして計算しています。婚姻期間の一部だけが対象の場合は、その期間だけの平均年収・月数を入力してください
- 分割の相手方の標準報酬総額は、自分と同じ再評価率で計算しています(厚生年金保険法施行規則78条の9の再評価率の差を1と仮定)。実際は生年月日などにより多少異なることがあります
- 死亡した配偶者の年金を分割する制度(死亡時の分割)、3号分割と合意分割を同時に請求する場合の計算はしていません
- 月額は年額を12で割った目安です(1円未満切り捨て)。実際は2か月分ずつ偶数月に振り込まれます。
- 所得税・住民税・介護保険料などが差し引かれる前の額面です。
- 実際の按分割合の範囲や分割後の年金額の見込みは、年金事務所(年金相談センター)に「年金分割のための情報提供通知書」を請求して確認してください。実際の年金額は、日本年金機構の「ねんきん定期便」「ねんきんネット」でも確認できます
よくある質問
年金分割をすると、相手の年金の半分がもらえるの?
合意分割は必ず相手と話し合わないといけない?
厚生年金に加入していなかった期間(自営業など)は分割される?
請求期限を過ぎたら年金分割はできない?
分割した年金はいつからもらえる?
内縁関係(事実婚)でも年金分割できる?
出典
離婚時の年金分割の制度・請求期限: 日本年金機構「離婚時の年金分割」
手続きの流れ: 日本年金機構「離婚時の年金分割について(手続きのご案内)」
合意分割・3号分割・按分割合・請求期限の法的根拠: 厚生年金保険法78条の2〜78条の14(e-Gov法令検索)
報酬比例部分の計算式: 厚生年金保険法43条・平成12年法律第18号附則20条(e-Gov法令検索)
令和7年の年金制度改正(請求期限の5年への延長を含む): 厚生労働省「年金制度改正法の概要」
当サイトは民間のサイトで、日本年金機構その他の公的機関が作成・監修したものではありません。実際の按分割合・年金額・手続きについては、必ず年金事務所・年金相談センターまたは弁護士にご確認ください。