使い方
- 配偶者の有無と、子・直系尊属・兄弟姉妹の人数を入れる。相続人にならない人(子がいるときの直系尊属・兄弟姉妹など)は、入れても計算に入りません
- 遺留分を算定するための財産の価額を、円の数字で入れる(例: 3,000万円は30000000)
- 相続人ごとの法定相続分と遺留分が、分数と金額でその場で表示される
- URLに条件を付けて開くと、その条件で最初から表示される(例:
/iryubun/?sp=1&c=0&a=2&s=0&sh=0&amt=50000000。配偶者と父母・5,000万円)。計算欄の下の「この条件のURLをコピー」でも同じ形のURLを作れる
家族の組み合わせごとの遺留分は?(早見表)
財産の価額が3,000万円のとき、配偶者と子2人なら配偶者750万円・子1人375万円、父母だけなら1人500万円です。兄弟姉妹には遺留分がありません。下の表の組み合わせをタップすると、その条件で計算欄が開きます。
| 相続人の組み合わせ | 相続人 | 法定相続分 | 遺留分 |
|---|---|---|---|
| 配偶者だけ | 配偶者 | 全部 | 1/2 (1,500万円) |
| 配偶者と子1人 | 配偶者 | 1/2 | 1/4 (750万円) |
| 子 | 1/2 | 1/4 (750万円) | |
| 配偶者と子2人 | 配偶者 | 1/2 | 1/4 (750万円) |
| 子(1人あたり) | 1/4 | 1/8 (375万円) | |
| 配偶者と子3人 | 配偶者 | 1/2 | 1/4 (750万円) |
| 子(1人あたり) | 1/6 | 1/12 (250万円) | |
| 子1人 | 子 | 全部 | 1/2 (1,500万円) |
| 子2人 | 子(1人あたり) | 1/2 | 1/4 (750万円) |
| 配偶者と父母 | 配偶者 | 2/3 | 1/3 (1,000万円) |
| 父母(1人あたり) | 1/6 | 1/12 (250万円) | |
| 父母だけ | 父母(1人あたり) | 1/2 | 1/6 (500万円) |
| 配偶者と兄弟姉妹2人 | 配偶者 | 3/4 | 1/2 (1,500万円) |
| 兄弟姉妹(1人あたり) | 1/8 | なし | |
| 兄弟姉妹2人 | 兄弟姉妹(1人あたり) | 1/2 | なし |
父母だけのときの遺留分の割合は1/3、ほかは1/2です。配偶者と兄弟姉妹が相続人のときは、兄弟姉妹に遺留分がないので、配偶者の遺留分が全体の1/2です。
財産の価額で遺留分はどう変わる?
遺留分は財産の価額に比例します。配偶者と子2人が相続人なら、配偶者は財産の価額の1/4、子は1人あたり1/8です。金額をタップすると、その条件で計算欄が開きます。
| 財産の価額 | 配偶者 | 子1人 |
|---|---|---|
| 1,000万円 | 250万円 | 125万円 |
| 2,000万円 | 500万円 | 250万円 |
| 3,000万円 | 750万円 | 375万円 |
| 5,000万円 | 1,250万円 | 625万円 |
| 7,000万円 | 1,750万円 | 875万円 |
| 1億円 | 2,500万円 | 1,250万円 |
遺留分の合計(配偶者と子2人の分を足した額)は、財産の価額の1/2です。表の金額は、配偶者と子2人が相続人の場合の値です。
遺留分とは?
遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人が受ける、遺留分を算定するための財産の価額に一定の割合(1/2。直系尊属だけが相続人なら1/3)を掛けた額です(民法1042条1項)。
裁判所の「遺留分侵害額の請求調停」の案内は、遺留分を「一定の相続人(遺留分権利者)について,被相続人(亡くなった方)の財産から法律上取得することが保障されている最低限の取り分のことで,被相続人の生前の贈与又は遺贈によっても奪われることのないもの」と説明しています。民法1046条1項は、遺留分権利者とその承継人が、遺贈や贈与を受けた人に対し「遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる」と定めています(遺留分侵害額請求)。請求できる期間は「遺留分侵害額請求はいつまでできる?(時効)」の質問に、財産の価額のもとになる贈与は「遺留分を算定するための財産の価額とは?」の節にまとめています。
遺留分はどうやって計算する?
遺留分を算定するための財産の価額に遺留分の割合(1/2。直系尊属だけが相続人なら1/3)を掛けて遺留分の合計を求め、それを遺留分を持つ相続人(兄弟姉妹以外の相続人)のあいだで、法定相続分の割合で分けます。
相続人に兄弟姉妹がいないときは、相続人全員が遺留分を持つので、その人の遺留分は「財産の価額 × 遺留分の割合 × その人の法定相続分」です。配偶者と兄弟姉妹が相続人のときは、兄弟姉妹に遺留分がないので、配偶者の遺留分は全体の1/2です(「配偶者と兄弟姉妹が相続人のときは?」の節)。兄弟姉妹だけが相続人のときは、遺留分を持つ相続人がいません。
民法1042条の条文は次のとおりです。
第千四十二条(遺留分の帰属及びその割合) 1 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。 一 直系尊属のみが相続人である場合 三分の一 二 前号に掲げる場合以外の場合 二分の一
2 相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第九百条及び第九百一条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。
たとえば配偶者と子2人が相続人で、財産の価額が3,000万円なら、配偶者は 3,000万円 × 1/2 × 1/2 = 750万円、子は1人あたり 3,000万円 × 1/2 × 1/4 = 375万円です。相続人に兄弟姉妹がいないときのこの式は、法務省のパンフレット「相続に関するルールが大きく変わります」の式「遺留分=(遺留分を算定するための財産の価額(注1))×(2分の1(注2))×(遺留分権利者の法定相続分)」と同じ形です(同じ資料の注: (注1)遺留分を算定するための財産の価額=(相続時における被相続人の積極財産の額)+(相続人に対する生前贈与の額(原則10年以内))+(第三者に対する生前贈与の額(原則1年以内))−(被相続人の債務の額)。(注2)直系尊属のみが相続人である場合は3分の1)。
このページでは、相続人全体で受ける遺留分の割合(民法1042条1項の各号の割合)を「遺留分の割合」と呼びます。政府広報オンラインは「遺留分を有する相続人が複数いる場合は、遺留分を法定相続分により分け合うことになります。」と説明しています。
法定相続分はどう決まる?
配偶者は常に相続人で、子、直系尊属、兄弟姉妹の順に、先の順位の人がいれば後の順位の人は相続人になりません(民法887条・889条・890条)。同じ順位の人が数人いれば、その順位の分を等分します(民法900条4号)。
- 配偶者と子: 配偶者1/2、子1/2(民法900条1号)
- 配偶者と直系尊属: 配偶者2/3、直系尊属1/3(同条2号)
- 配偶者と兄弟姉妹: 配偶者3/4、兄弟姉妹1/4(同条3号)
- 配偶者がいないとき: その順位の人(子、直系尊属、兄弟姉妹)で全部を等分
父母の一方だけが同じ兄弟姉妹の相続分は、父母の双方が同じ兄弟姉妹の1/2です(民法900条4号ただし書)。たとえば配偶者と、父母が同じ兄弟姉妹2人・父母の一方だけが同じ兄弟姉妹1人が相続人なら、兄弟姉妹の1/4を「1:1:1/2」で分けて、父母が同じ人は1人1/10、一方だけが同じ人は1/20です(この条件で計算する)。
子が相続の開始以前に亡くなっているときは、その子の子(孫)が代わって相続人になり、亡くなった子が受けるはずだった分を受けます(民法887条2項・901条1項)。兄弟姉妹が先に亡くなっているときは、その子(甥・姪)が代わって相続人になります(民法889条2項・901条2項)。子の法定相続分は、嫡出でない子も嫡出子と同じです(平成25年の改正。2013年(平成25年)9月5日以後に開始した相続に適用)。
遺留分を算定するための財産の価額とは?
被相続人が相続開始の時に持っていた財産の価額に、生前の贈与の一部を加え、債務の全額を引いた額です(民法1043条1項)。
第千四十三条(遺留分を算定するための財産の価額) 1 遺留分を算定するための財産の価額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除した額とする。
加える贈与は、民法1044条で次のように決まっています。
- 相続人以外への贈与: 相続開始前の1年間にしたもの。当事者の双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってした贈与は、それより前のものも入る(1項)
- 相続人への贈与: 相続開始前の10年間にしたもので、婚姻・養子縁組のため、または生計の資本として受けた贈与(3項)
このツールは、こうして求めた財産の価額を1つの金額として入れる形で、贈与や債務の積み上げは計算していません。財産の価額が0円以上になる場合を計算します。
遺留分侵害額はどう計算する?
その人の遺留分から、その人が受けた遺贈・贈与(民法903条1項の贈与)の価額と、相続分に応じて取得する遺産の価額を引き、その人が承継する債務の額を加えて求めます(民法1046条2項)。
法務省のパンフレットには、次の事例があります。被相続人が、事業を手伝っていた長男に会社の土地建物(評価額1億1,123万円)を、長女に預金1,234万5,678円を相続させる遺言をして亡くなりました(配偶者は既に死亡)。財産の価額は1億2,357万5,678円で、子2人の遺留分は1人あたり1/4です。
パンフレットは、長女の遺留分侵害額を1,854万8,242円としています(1円未満を四捨五入した額と同じです)。この事例の遺留分は、この条件で計算欄を開くと確かめられます。このツールは、遺留分侵害額そのものは計算していません。
配偶者と兄弟姉妹が相続人のときは?
配偶者と兄弟姉妹が相続人のとき、兄弟姉妹には遺留分がないので(民法1042条1項)、配偶者の遺留分は全体の1/2です。
民法1042条1項は「兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。」と定め、各号で割合を1/3(直系尊属のみが相続人である場合)と1/2(それ以外の場合)にしています。遺留分を受けるのは兄弟姉妹以外の相続人で、配偶者と兄弟姉妹が相続人のときは、配偶者だけです。
政府広報オンラインは「遺留分を有する相続人が複数いる場合は、遺留分を法定相続分により分け合うことになります。」と説明しています。この組み合わせで遺留分を有する相続人は配偶者1人なので、遺留分の割合1/2がそのまま配偶者の遺留分になります。財産の価額が3,000万円なら、配偶者の遺留分は1,500万円です。兄弟姉妹の法定相続分は1人1/8ですが、遺留分はありません(この条件で計算する)。
このツールの前提
- 民法887条・889条・890条で相続人を決め、900条・901条の法定相続分と、1042条の遺留分の割合で計算します。2019年(令和元年)7月1日以後に開始した相続の規定です
- 相続放棄・相続欠格・廃除・遺言による相続分の指定・遺留分の放棄・特別受益・寄与分は計算に入れていません
- 遺留分を算定するための財産の価額は、1つの金額として入れる形です。贈与の算入(民法1044条)や債務の差し引き、財産の評価は計算していません。0円から1兆円までの金額で計算します
- 人数は各欄0〜30人の整数です。代襲相続では、先に亡くなった子(兄弟姉妹)を1人と数え、その人の分を代わりに相続する人で等分します(孫どうし・甥姪どうしの分け方は表示していません)
- 配偶者と兄弟姉妹が相続人のときは、遺留分を持つ相続人が配偶者だけなので、遺留分の割合1/2をそのまま配偶者の遺留分にしています(民法1042条1項と政府広報オンラインの説明による)
- 分数は約分して表示します。金額は、財産の価額と分数から整数で計算し、1円未満を四捨五入しています
- 遺留分侵害額(民法1046条2項)は計算していません
よくある質問
兄弟姉妹に遺留分はありますか?
遺留分侵害額請求はいつまでできる?(時効)
生前贈与は遺留分の計算に入りますか?
遺留分は、金銭で請求するのですか?
遺留分は放棄できますか?
亡くなった子に代わって孫が相続するときは、どう数えますか?
婚姻していない親から生まれた子の遺留分は、違いますか?
遺留分の割合が1/3になるのは、どんなときですか?
出典
- e-Gov 法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 法務省「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00222.html
- 法務省「パンフレット「相続に関するルールが大きく変わります」」 https://www.moj.go.jp/content/001318284.pdf
- 法務省「遺留分制度の見直し」 https://www.moj.go.jp/content/001263488.pdf
- 法務省「民法の一部が改正されました」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00143.html
- 裁判所「遺留分侵害額の請求調停」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/lkazi_07_26/index.html
- 裁判所「遺留分放棄の許可」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_26/index.html
- 政府広報オンライン「知っておきたい相続の基本。大切な財産をスムーズに引き継ぐには?【基礎編】」 https://www.gov-online.go.jp/article/202403/entry-5848.html
条文は、e-Gov 法令検索の民法から引用しています。遺留分の規定(民法1042条〜1049条)は、平成30年の改正(平成30年法律第72号。2019年(令和元年)7月1日施行)による規定です(施行日は法務省の案内による。改正法の附則第2条は「この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に開始した相続については、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。」と定めています)。条文と、法務省・裁判所・政府広報オンラインの資料は2026年10月13日に確認しました。
当サイトは民間のサイトで、法務省・裁判所・政府広報オンラインその他の公的機関が作成・監修したものではありません。
ご利用にあたって
本ツールは、民法の条文に沿って法定相続分と遺留分の割合・金額を計算する計算ツールで、法律相談や法的な助言を行うものではありません。実際の遺留分や遺留分侵害額は、遺言・贈与・相続放棄・財産の評価などの事情によって変わります。遺留分侵害額の請求や交渉、遺留分の放棄の手続については、弁護士・司法書士などの専門家や、家庭裁判所、日本司法支援センター(法テラス)などの窓口にご相談ください。